4月23日の「国内気温概況」で掲載した、この日8時までの最低気温平年差の分布図ですが、この図では関東付近の高温(平年より高い領域)が、周囲とのコントラストが明瞭で目立っています。この状況について解説します。
長野、山梨、静岡を境に、東側で平年より高く(平年差+6℃以上)、西側では平年差が+2℃以下の所が多く、コントラストが明瞭となりました。
これは、雲のかかった領域と対応しています。この場合は東側では雲がかかり、西側は晴れました。
東北を東進した高気圧により、関東には東から湿った空気が流れ込み、雲が発生しましたが、この雲は背が低く、関東山地や南アルプスを越えてその先まで広がることはありませんでした。その結果、雲のかかった所では冷え込みが無く、かからなかった所では冷え込んで、最低気温の平年差にその差が表れました。つまり、地形が原因で、最低気温の平年差の分布にコントラストが表れたことになります。
似たようなことは梅雨の時期の東北の最高気温でよく見られます。北東から流れ込む冷たく湿った空気により、奥羽山脈を挟んで太平洋側では平年より低く、日本海側では平年より高くなります。
(2019/4/24掲載)