当サイトでは、北半球高緯度の約15地点について、過去20年程度に渡って、ウェブサイトで閲覧できる資料により、毎日の最高・最低気温データを収集してきました。
この夏は、北極圏内での高温記録がいくつか報じられていますが、今日は当サイトでウォッチしているスヴァールバル諸島のロングイェールビエンで、1997年以降の最高気温(21℃)が観測されましたのでお知らせします。
スヴァールバル諸島は図の中央下、グリーンランドの東にある島々です。ロングイェールビエンは主島のスピッツベルゲン島内最大の町で、空港があります。収集しているのはその空港(ICAO空港コード:ENSB)からMETAR報で報じられる気温データです。最高・最低気温と言っていますが、実際は、報じられた気温のうち1日の最高と最低を記録しています。METAR報で報じられる気温は1℃単位です。
7月25日(協定世界時)に観測された最高気温は21℃です。当サイトで収集した資料では、これまでの最高は1998年7月22日に観測された19℃で、初めての20℃以上を記録、過去最高を2℃更新しました。
左が500hPa高度と850hPa気温の解析図、右が地上気圧の解析図(2020/7/25/12UTC、いずれもECMWFホームページより転載)です。500hPaではバレンツ海に高気圧があり、スヴァールバル諸島には850hPaの暖気が北上、同諸島のすぐ南に12℃以上の暖気があります。地上天気図ではスヴァールバル諸島は東よりの風の場で、東から暖気が流れ込む状況となっています。
(2020/7/26掲載)