図は2021年2月15日12UTCのECMWF解析による500hPa高度、850hPa気温の分布図です。
気温の等値線は4℃毎で、アメリカほぼ中央のやや濃い青が-24℃以下、五大湖あたりの濃い青は-28℃以下です。
500hPaの深いトラフがアメリカ中西部を通過中で、これに伴って強い寒気の南下があり、850hPa・-16℃以下の寒気が北緯30度まで南下しています。これほどの寒気南下は珍しく、記録的な低温や降雪があり、停電も発生しているようです。
日本では850hPaで-16℃以下になるのはほぼ北日本に限られ、福岡以北の日本海側でも-16℃以下の記録はありますが稀です。北緯31.7度くらいの鹿児島では1957年以降の最低は-14.0℃であり、日本では850hPaで-16℃以下の寒気が北緯30度以南に南下したことはありません。
この寒気南下に伴って何が起こったかについて、以下にCNNニュースホームページの2月16日の記事から抜粋します。
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米南部テキサス州にも降雪
(CNN)米国を襲っている強い寒波により、各地で記録的な寒さや降雪が観測されている。テキサス州などでは電力需要に供給が追いつかず、計画停電が始まった。
15日午後の時点で停電となっているのは全米で440万世帯以上。このうち370万世帯が集中するテキサス州では、天然ガスの供給不足や風力タービンの凍結により、同日朝までに計画停電が始まった。同州南東部のガルベストンでは15日昼過ぎ現在、最大95%の世帯で電力供給が停止している。
米北部から南部にかけての広い範囲に道路凍結や低温などの警報、注意報が出され、天候関連の交通事故で先週以降少なくとも13人の死者が報告されている。このうち9人は11日、車両130台が絡むテキサス州フォートワースでの事故で死亡した。
15日の気温はテキサス州ダラスでマイナス15度、オクラホマシティーでマイナス21度、ミズーリ州カンザスシティーでマイナス36度と、いずれも1989年以来の最低を記録した。
ワシントン州シアトルでは約50年ぶりに約28センチの積雪、テキサス州ブラウンズビルでは1898年以来わずか3度目という降雪が観測された。
オクラホマシティーでは気温がマイナス7度を下回ったまますでに5日が経過。この寒さが25日までの計9日間、続くと予想されている。
15日はテキサス州ヒューストンやルイジアナ州ラファイエット、ミシシッピ州ジャクソンの空港が閉鎖され、同日午前の米国発着便3800便以上が欠航となった。
(2021/02/20掲載)