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気象のキモ1:はじめに

気象を理解する上で重要なこと、キモとなるようなことがいくつかあると思います。

気象庁で40年間勤務する中での経験、特に天気図解析、天気予報の現業、天気相談所での相談対応の経験を踏まえて、思い付くことを書いてみようと思います。

気象は我々を取り巻く大気の中で起こる現象です。毎日、気温や湿度の変化、風の状況、太陽光の届き具合、雨や雷・・・など、気象の様々な要素を肌に感じながら生活しています。なので、直観的に理解しやすい現象もたくさんあります。例えば、
・太陽光が当たる日中に気温が上がって、夜には気温が下がる
・風が暖気や寒気を運ぶ
・空気には水蒸気が含まれていて気温が下がると水になる(冷たい水を入れたコップに水滴が付く)
などです。

ところが、気象に関する現象や概念で、重要にもかかわらず普段の生活の中では感じにくいことや直観的に理解しにくいことがあります。それは、
「気圧」、「空気の上昇、下降に伴う気温変化」、「ベルヌーイの定理に関連する現象」です。

これらが分かりにくいのはおそらく、空気や熱が目に見えないことや、上空では当たり前に起こっているのに地上では起こらない等に起因していると思われます。

これらは気象の様々な現象を見る上での重要な基礎知識であり、これらを正しく理解しているか否かによって、気象の各現象を見てその原因を考える時に思い付く内容が大きく変わってくると思います。

次回以降、各事項について説明してみます。

(2021/07/18掲載)