先日、ニッポン放送「三宅裕司サンデーヒットパラダイス」で竹内まりや特集があり、そこで「駅」を初めてじっくり聴いて感動しました。
名曲だと思います。ドラマチックな詞の内容と、それにピッタリ合うメロディということでしょうか。とても分かりやすい詞で歌い方もうまいのでしょう、内容がどんどん入ってきて感情移入してしまい、最後の方では、ほろりとさせられました。メロディは転調もなくいたってシンプル、そこにインパクトのある詞を乗せて淡々と歌い上げていく、それで詞の内容が聴く者の心にすっと沁み込んでくるのでしょう。
Wikipediaによれば、もともとは中森明菜さんへの提供曲で、中森さんのイメージから着想した切ない恋物語を曲にしたのですが、後にセルフカバーしたものがヒットして、スタンダードのようになっていったそうです。
さて気象との関係ですが、切ない恋物語には雨が似合うということでしょうか、冒頭に「レインコート」が出てきて、雨の雰囲気を醸し出します。その後、物語の途中では気象のことは何も出てきませんが、最後の「雨もやみかけたこの街に」で、冒頭のレインコートも相俟って、「この日は一日雨が降り続いたのだろう」と思わせます。関東であれば、南岸低気圧あるいは、南海上に前線が停滞した時の、長くしとしと降り続く雨を連想します。
結びの「ありふれた夜がやってくる」は、主人公ではない第三者視点の言葉のようにも感じられ、「ドラマを観終わった」感を演出しています。
本当に、よくできた歌です。
(2022/2/15掲載、2/19追記)