気温が高い原因? その2:日最高気温が平年より低い場合の理由

前回、夏に日最高気温が平年より高い場合について、「国内気温概況」にて、何を見てどのように記述しているかについて途中まで書きましたが、その続きです。
(前回はこちら https://kion-web.com/blog/temperature/kiongatakaigenin%ef%bc%9f/)

前回は、日最高気温が平年より高い場合の要因として、「暖気」と「日照」があり、気温上昇を抑えるものとして「風」があり、特に海から吹く風に注目していること、風が吹いても高温になる場合は「フェーン」の可能性があることなどを述べました。

今回は、日最高気温が平年より低い場合の原因ですが、当然、高い場合の逆で、「寒気」の流入や「日照」の少ないことが要因となります。その他に、「海からの冷たい風」や「雨による冷気」により気温が低い場合があります。

まず「寒気」ですが、原則として、850hPaの気温が平年より3.0℃以上低い場合を「寒気」として記述しています。「日照の少なさ」については、天気により記述することが多いです。「曇りや雨で気温が上がらず平年より低め・・・」等。

「海からの冷たい風」ですが、これは北日本のオホーツク海側、太平洋側と関東にほぼ限定です。前回、海からの風により気温上昇が抑えられると書きましたが、上記以外の地域では「平年並み程度に抑える」のが精一杯なのです。ところが上記地域では様子が違います。それは、「盛夏期でも海面水温が10℃前後の千島列島周辺」からの風が直接流れ込むことがあるからです。

海面水温が低ければ、当然その上にある空気も冷やされます。オホーツク海付近に高気圧がある気圧パターンでは、この冷たい空気が上記地域に直接流れ込みやすくなります。この冷気が流れ込むと、単に気温が低いだけではなく湿りも伴っているため低い雲が形成されて日照が妨げられ、気温が平年より大幅に低くなることも多くなります。

「雨による冷気」については、次回に。

(2021/09/12掲載)

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