強い寒気流入時の平年差分布パターン(北海道:2021/02/03 8時までの最低気温)

8時までの最低気温の平年差
8時までの最低気温

2月3日の8時までの最低気温平年差の分布図では、北海道で、強風と共に強い寒気が流入する際に特徴的な最低気温平年差分布パターンとなりました。特徴としては、沿岸部で平年差のマイナスが大きく、内陸部では強い寒気が流入しているのに平年差はプラスになる(最低気温は平年より高い)所が多いということです。

左は8時までの最低気温平年差分布図、右は8時までの最低気温分布図です。右の図では全体に青っぽく、寒気流入により一様に低温となっているように見えますが、左の図では赤から青まであって、平年差の地域差が大きくなっている状況が見て取れます。
なお、「国内気温概況」 https://kion-web.com/japans_temperature/heinensa20210203/ にて、天気図やIR画像も掲載しています。

同じようなことが2019/11/08にもあり、ブログを書いたのですが、 https://kion-web.com/blog/temperature/kankiryuunyuu20191110/ 今回の方が平年差のプラスの所とマイナスの所の差が大きく、明瞭になっています。

左の図から分かるように、日本海側の沿岸部で濃い青が目立ちます。これは、西風と共に強い寒気が流入して、普段は海面水温が高いために気温の下がりにくい沿岸部で、寒気の直接の影響を受けて平年より低い気温になったと考えられます。これに対して内陸部や東部では青い所はほとんどなく赤っぽい所が目立ちます。これは、強い寒気が流入しているものの風が強く、あるいは雪雲がかかって冷え込みが抑えられており、通常では冷え込むことが多くそれが平年値に反映されている地点において、平年値を下回らない状況になっていると考えられます。

あらためて、最低気温において、風が冷え込み(=放射冷却)を抑えることの重要性が分かりますね。

(2021/2/6掲載)

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