北半球の全経度に渡って偏西風の蛇行大:2021/04/24/12UTC
当サイトの「全球大気の流れ、寒気、暖気の特徴」では、毎日、ECMWFの12UTCの500hPa解析図に基づき、南北両半球の偏西風の蛇行の状況を記述しています。独自の基準で、振幅が緯度20度以上を「大」、10度以下を「小」、その中間を「やや大」として大小を記述していますが、実は大小の判定は結構難しく、さらに詳しい基準により運用しています。
☆「大」の定義
・隣り合う5本の等高線(間隔は40m毎)全てについて
・1波長内の振幅が緯度20度以上(南行、北行の両方の振幅が20度以上)
・「1波長」は、尾根から尾根まで、あるいは谷から谷までの長さ
・1波長は経度100度以内
☆「小」の定義
・隣り合う5本の等高線(間隔は40m毎)全てについて
・経度100度に渡って振幅が緯度10度以内
さて、この基準で、当サイト開設(2018年6月)以来、毎日、偏西風蛇行の状況を記載してきましたが、このたび初めて、北半球において、全経度に渡って蛇行「大」という状況になりましたので、ご報告します。
左は2021年4月24日12UTCのECMWFによる北半球500hPa解析図で中央が北極点、右は同時刻の全球の横長の図です。
まず、アイスランド、グリーンランド付近のリッジを通る流れの振幅が20度以上です。次にシベリア北岸付近の流れですが、東経80度付近の小さな谷を無視すれば、ちょうど波長が100度で、振幅20度以上のリッジになっています。さらにアラスカの高気圧を周る流れが振幅20度以上、そして北米大陸の2つの寒冷渦を周る流れも波長が100度、振幅も20度以上、ということで、蛇行「大」が北半球を一周しています。
(2021/04/30掲載)