南太平洋に925hPaの温帯低気圧(2019年5月14日12UTC)

南半球地上解析2019年5月14日12UTC

温帯低気圧の発達条件を北半球と南半球とで比較すると、大きな違いとして、南極には大陸があるのに対し、北極は海であることがあります。大陸の方が海に比べて冷えやすいことから、特に冬季に、南半球の方が高緯度の寒気とそれより低い緯度の暖気との間の温度差が大きくなると思われ、北半球に比べて温帯低気圧が発達しやすいと考えられます。

このことは温帯低気圧の中心気圧に表れていて、当サイトで毎日見ているECMWFの12UTCの地上解析図で、930hPa以下に発達した温帯低気圧が天気図上に存在した日数は、2018年では、北半球0日に対し、南半球では11日ありました。11日のうち9日は6月~10月で、南半球の冬~春に当たります。

図は今年5月14日12UTCの南半球の地上解析図(ECMWFホームページより転載、等圧線の間隔は5hPa)で、ニュージーランドのSEの南太平洋で低気圧が急速に発達して925hPaとなっています。

これが今年の南半球の12UTCでの930hPa以下の低気圧の3個めとなりました。なお、2018年は、南半球12UTCで925hPa以下に発達した温帯低気圧があったのは2回だけでした。

(2019/5/17掲載)

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