音楽と気象13 「Woman”Wの悲劇”より」(詞:松本隆、曲:呉田軽穂、歌:薬師丸ひろ子)

これは「悠久」が降りそそぐ歌です。

先々週の日曜日のTBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」で、80年代の名曲として流れました。

これは「Wの悲劇」という映画の主題歌なのですが、私はもともと映画には疎いし、その頃はユーミンからも遠ざかっていたため、この曲を聴くのは初めてでした。「なんか良さそうな曲」と思って、YouTubeで聴き直した時、この曲のすばらしさを知ると同時に、この曲を今まで知らなかったことについて「損した」と思いました。

詞の内容は、自分から遠ざかってゆく男に対する女の心情だと思います。ゆっくりしたテンポで淡々と進みますが、
「ああ時の河を渡る船に/オールはない/流されてく」で、一気に「悠久」が降りそそぎます。圧倒的なパワーで。

シルクロードのテーマに似た曲調と薬師丸さんの澄んだ音質とビシッと合った音程によって、それを感じるのだと思います。

気象関係者の私は、ここを聴くと、宇宙の歴史、気象・気候を含む地球46億年の歴史、人類の歴史、DNAによってつながれた生命の歴史などに想いを馳せてしまいます。

女性の心情って、そんなにすごいものなのかと、若干の違和感も覚えつつ。

(2022/5/19掲載)

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