5月25~27日の北海道の高温

500hPa高度、850hPa気温解析図 2019年5月23日12UTC
500hPa高度、850hPa気温解析図 2019年5月25日12UTC

5月25~27日は、北海道で記録的な高温となり、26日は北海道の36地点で、日最高気温の観測史上1位を更新しました。この日、網走・北見・紋別地方の佐呂間で観測された最高気温39.5℃は、5月の国内最高気温記録をも塗り替えるものでした。850hPaの気温も稚内、札幌、釧路とも20℃以上が観測されましたが、これは5月としては過去(統計期間60年余り)になく、断トツの1位となりました。このような高温がもたらされた状況について、簡単に見てみたいと思います。

2枚の図は、500hPa高度と850hPa気温の全球の解析図で、ECMWFのHPから転載しました。左が23日12UTC、右が25日12UTCのものです。図の右上の日本付近にご注目ください。23日に中国北東部にリッジ(気圧の尾根)があり、850hPaの気温はモンゴルで28℃以上と高温になっています。このリッジが東進して25日には日本に進んできており、850hPaの気温も少し下がりましたが、20℃以上を保っています。この下層暖気を伴うリッジの通過により、北海道に記録的高温がもたらされました。

この500hPaのリッジは偏西風の波動に伴うもので、この高温はリッジが通り過ぎれば終わりの一過性の現象です。日本の盛夏期の高温はこれとは異なり、太平洋高気圧に覆われての高温ですので、長期間持続することになります。

(2019/5/30掲載)

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