寒気流入時の最低気温の平年差分布パターン(2012/12/18/08時)

6時のIR画像
8時までの最低気温の平年差

これまでにも何度かご紹介してきましたが、12月18日は全国的に寒気が流入し、最低気温の平年差の分布図には、寒気流入時に表れる特徴が国内の広範囲で見られましたので、改めて紹介します。

左は18日6時のIR画像(tenki.jpより転載)、右は18日8時までの最低気温の平年差の分布図(気象庁HPより転載)です。衛星画像から明らかなように全国的に寒気が流入しています。最低気温の平年差は、北海道の一部を除いて青っぽくなっていますが、これは強い寒気により最低気温が平年値に比べて低い所が多いことを表しています。その中でも、濃い青(平年差が-4℃以下)の地点に注目してください。沿岸部に多く、内陸部の所々にもあります。実は内陸部で濃い青の地点のほとんどは標高の高い地点です。つまり、沿岸部と標高の高い地点で平年差のマイナスが大きくなっていることになります。これについて説明します。

寒気が流入する時は強風を伴います。すると、放射冷却は起こりにくくなります。沿岸部の地点は、風が吹きやすく放射冷却が起こりにくいため、放射冷却が起こりやすい内陸部に比べて最低気温の平年値は高いのですが、寒気流入時は、流れ込んだ寒気そのものにより平年値よりも大きく気温が下がります。内陸部は放射冷却が起こりやすいため平年値は低いのですが、寒気流入時は風が吹いて放射冷却が起こりにくいため、気温が下がっても平年値より大きく下がるようなことは少なくなります。また、標高の高い地点は、立地条件や風向にもよりますが、沿岸部同様、風が吹いて放射冷却が起こりにくい(頻度が少ない)ため、寒気流入時は寒気そのものにより、平年値よりも大きく気温の下がる場合があります。

特徴的な平年差分布、興味深いです。

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(2021/12/19掲載)

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